日本山妙法寺
御妙判(日蓮大聖人御遺文)
報恩鈔(縮1509)
一つには、日本乃至一閻浮提、一同に本門の教主釈尊を本尊とすべし。
所謂、宝塔の中の釈迦・多宝、外の諸仏、竝びに上行等四菩薩、脇士となるべし。
二つには本門の戒壇。
三つには、日本・乃至漢土・月氏、一閻浮提に、人毎に有智、無智を嫌はず、一同に他事を捨てて、南無妙法蓮華経と唱ふべし。此の事、未だ弘まらず。
一閻浮提の内に、仏滅後二千二百二十五年が間、一人も唱へず。日蓮一人、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経等と、声も惜まず唱ふるなり。
−『法華経要文抄』178〜179頁−
一閻浮提=世界。漢土=中国。月氏=インド。
清澄寺大衆中(縮1370)
日蓮が度度殺害せられんとし、竝びに二度まで流罪せられ、頸を刎ねられんとせし事は、別に世間の失は候はず。
生身の虚空蔵菩薩より、大智慧を給はりしことありき。
『日本第一の智者となしたまへ』と申せしことを、不便とや思し食けん。明星の如くなる大賓珠を給びて、左の袖に受けとり候ひし故に、一切経を見候ひしかば、八宗竝びに一切経の勝劣、ほぼ是を知りぬ。(縮1371)

 これを申さば、必ず日蓮が命となるべしと、存知せしかども、虚空蔵菩薩の御恩を報ぜんが為めに、建長五年四月二十八日、安房の国東條の郷の清澄寺、道善の房、持佛房の南面にして、浄圓房と申す者、竝びに少少の大衆に、是を申し始めて、其の後二十余年が間、退転なく申せば、或は所を追ひ出され、或は流罪等。
 昔は聞く不軽菩薩の杖木等を、今は見る日蓮が刀剣に当る事を。
−『法華経要文抄』175頁−
虚空蔵菩薩=その智慧・功徳・慈悲が、虚空のように無尽蔵であるところから名づけられた菩薩。日蓮大聖人が出家得度した清澄寺には、この像が安置されており、大聖人は十二の歳より、「日本第一の智者となしたまへ」と、この菩薩に祈願し、智慧の宝珠を授けられました。
給びて=授かって。
命となる=迫害・法難によって身の危険がさしせまってくる。